第七官界彷徨記

文科系アラサー、エンジニアになるためドイツでまた学生はじめました。

「経営者視点を持て」ということの是非

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エラい人たち(主に金持ちや経営者)は言う。「経営者視点を持て」と。

こういうこと言われると、「ふっざけんじゃねーぞ、この自己チュー守銭奴欺瞞豚野郎!!!!!!」みたいなどす黒い気持ちになっちゃう><

 

なぜかと言うと、経営者って基本的に某ワ●ミ社長みたいな奴じゃろ。世の中には徳の高いブッダみたいな経営者もいるのかもしれないけど、犬も歩けばブラック企業な昨今、基本的に経営者は「従業員は安い賃金で(できればタダで)、なるべく長時間(サビ残~♪)、でも超ヤル気まんまんで(馬鹿な…)、いきいき笑顔で(貴様の罪悪感をぬぐうためか!!!!)働いて欲しい」と思っていると考えた方がよい。諸君、殺るか殺られるかだ。

 

(だから「残業代ゼロ法案」とかが出てくるわけで。労働者(雇われる側)と経営者(雇う側)の利益は基本的に逆方向。)

 

しかし。しかしですよ。

この「経営者視点を持て」というアドバイス、有効な場合もありますよね。

たとえば、自分が将来的に会社持ちたい人。経営者視点に立って動くことでいろいろ見えてくることってあるんだろうなーと思う。

後は出世したい人。「自分は管理職としてのポテンシャルがあるんだ!」と示すためには、平社員以上に会社に貢献できる所を見せなきゃいけないだろうね。

または職人・クリエイティブ系なんかでは、業界トップの人の仕事を間近に見たり、そのトップ層の人脈とつながるためには「むしろタダでも働きたい」ってことがあるだろうなーと。

 

そもそも、何かで「人より抜きんでたい」と思ったら、ある程度ソントクは忘れてがむしゃらにやらないとどーにもなんない部分はあるんじゃないでしょうか。

 

「じゃあ結局『経営者視点で頑張れ』ってことかよ!!!?」っていうと、そうじゃない。

 

あなたはあなたの利益を守るために、「従業員目線」でいよう!

不当な要求に従う必要は無い。そもそも、資本主義社会では雇用主が従業員より圧倒的に強い。だから労働者を守るために法律が作られてる。でも労働基準法ってぜんぜん守られてない。それはあなたの責任じゃないんだから、あなたは本来あるべき労働者の権利を主張していいし、主張できなかったとしても、あなたは正しいんだから堂々としてていいんだよ。

 

ただ、「ここで成功したい」「何かを掴みたい」って思った時には、「いち従業員以上の視点」を持ってみるのはいいアドバイスだと思う。

 

みんなが頑張る必要はないし、「そこそこ給料分だけ働く」だっていいじゃん。もしそれで本人に不利益があったとしても、その人が選んだことなんだから、赤の他人が「全員経営者視点を持つべきだ!!」なんて言うべきじゃない。おせっかいも甚だしいわ。「俺が滅私奉公してるのにアイツがしないのはおかしい」なんてのは論外。じゃあお前が滅私奉公やめろよ。Mind your own businessってやつだわさ。

 

世間に溢れるおせっかい言説にたいして、こういうスタンスでいればいいんじゃない?という話でした。