第七官界彷徨記

文科系アラサー、エンジニアになるためドイツでまた学生はじめました。

【GoT S8E3ネタバレあり】アリアにエオウィン(ロード・オブ・ザ・リング)を思い出した話

日本のお祭り騒ぎに乗れないので、GoTのお祭り騒ぎに便乗することにしました。ここドイツだとSkyっていう全然知らないストリーミングサイトがGoTモノポリーを敷いているのでそこで見ています。

問題なのが、音声は英語/ドイツ語で、字幕が付くのが公開からしばらくしてからになるので英語聞き取れるかな大会になってしまう点・・・。なぜ吹き替えは同時公開なのにただのセリフ書き起こしは同時公開できないのだ!不条理!イギリス英語苦手な上、結構な人が訛っていらっしゃる・・・・・。おしゃれな言い回しは難しいぞ!というわけで、どうしてもわからないときは書き起こしを載せてるサイトを見ることとしております。というわけで3話の感想文です。

 

視覚効果:不可視のゾンビ🧟‍♀️🧟‍♂️

今回、ゾンビ映画×城攻めみたいな展開になるかと思いきや、「Night is dark and full of terrors(夜は暗く恐怖に満てり)」という言葉になぞらえたように見えないゾンビだったね!!!だから、光の王を信仰するメリサンドルが出てくるのは道理だったんだろう。というか、ドスラク人たちはいつもの武器で戦うつもりだったのか?!?あと、もしかして全滅した???

 

画面暗いのって見えなくないですか

そして今回(も)画面めちゃくちゃ暗かったですね。電気が無い頃の夜は本当に暗いんだぜ・・・ってことなんでしょうか。というか、西洋の映像作品、暗くて良く見えないこと多く無いですか? 目の色が薄い人は暗くてもものが見えやすい(反射の関係?)とか聞いた事があるのですが、目が黒いから今まで暗い画面全然見えなかったとかある???

今ってストリーミング隆盛だし、映像作品をパソコンのディスプレイで見ることが多いと思うのだけど、黒い画面はグレアがすごい。自分の顔が映る。見難い。

暗くて見えない、怖いというのはウィンターフェルに居たみんなの総意だろうし、疲れと負傷で視界不良な感じを視聴者も味わったから良いのかもしれない・・・。

 

ゲームオブスローンズはもう「I'm No Man」じゃない感慨

アリアがやりましたね。普通に考えるとジョン・スノウと一騎打ちを想像するところですからね。でもこれ、なるほどそうきたか!ではあるんだけど、ナ、ナンダッテーーー!では無いなぁと思いました。

前にも、人間の力をはるかに超え、英雄豪傑が倒せなかった強敵を倒した勇敢な女性がいたなぁと。

 

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Eowyn

ロード・オブ・ザ・リング」のエオウィンです。「決して人間の男には殺せない」と言われているナズグルを倒した人です。ドラゴンに騎乗して悪魔のような姿で誰も手が出せないところを、「No mortal man could kill the Witch-king(人間の男には倒すことはできぬ)」「I'm no man!(私は男ではない!)」ということです。

Manは女に対する男という意味だけでなく、人間という意味の言葉でもあるわけですが、「どんな英雄にも不可能だと思われていたことを、英雄とは正反対の人物が達成する」というロード・オブ・ザ・リングの主題の反復であり、権力を持つ男性によって不当な境遇を強いられていたエオウィンが活躍することでカタルシスが得られるエピソードです。(そして、人間を表す言葉がなぜ「男(man)」なのか?変じゃない?という問題提起にも思えます。)

この「ロード・オブ・ザ・リング」のエオウィンは、誰にも期待されていませんでした。相当な剣の使い手であるのに戦うことは認められず、勝手に変装して戦に参加しました。エオウィンは、「女」という戦場で活躍するはずもない人物だからという意外性と、言い伝えの言葉への抜け道としてこの機会を与えられた、と言えるかもしれません。実際、主人公の旅の仲間に女性はいません。

 

しかし。アリアはちょっと違う。アリアは「英雄の正反対」としての意外性を狙った人選でもなければ、例外中の例外の特殊キャラでも無い。「男じゃなくて女だから」伝説の化け物を倒せたわけじゃない。

もちろん、「女の子なんだから・・・」という場面がなかったわけでは無いですが、父に弓の腕前を認められ、No oneのメンバーにするべく鍛えられ、仇だと思っていたクレゲインとは友人になり、紅の女が言うにはベリック・ドンダリオンはアリアを生かすために死から蘇ったというわけ。

まあ、考えてみるとS8現在、鉄の玉座に座るのはサーセイ、それに異を唱えるのがデナーリス、鉄諸島の領主はヤーラ、ウィンターフェルの領主(代行)はサンサだし、リアナ・モーモントは巨人族のホワイトウォーカーを倒し、晴れて騎士になったブライエニーも鬼強くて生き残っているわけで、アリアが強くても意外ではない。権力者や強い戦士は男が基本なのではなく、性別ではなく人によるってことですね。そこは結構重要かなと思いました。ロード・オブ・ザ・リング、2001年の映画だもんなぁ。